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  • インフラ状況

    A. 電力

    1.電力供給能力の現状

    タミル・ナドゥ州の電力供給能力(再生可能エネルギー等を除く)は、2011年時点で10364.5MW、ピーク需要は12,000MWとなっています。電力の平均供給能力を勘案すると、現状、3,000~4,000MWの供給不足に陥っているとされています。

    一方、タミル・ナドゥ州では、再生可能エネルギー等で7,572MWの発電能力を有しています。このうち、約9割は風力発電であり、風力発電に関しては、州別にみると、インド最大規模を誇っています。しかしながら、風力発電が稼動するのは年度の上半期が中心であり、安定的な電力供給源として機能しきれていないのが実態です。

    タミル・ナドゥ州では、少なくともここ数年、電力供給能力(再生可能エネルギー等を除く)は殆ど増強されておらず、他方で、電力需要が大幅に増加しているため、足下で大幅な需給ギャップに陥っています。同州政府では、2016年度の電力需要を18,311MWと予測しており、電力不足の改善を主要な政策課題の1つとして、電力供給能力の増強等に取り組んでいます。

    (参考)タミル・ナドゥ州の発電能力

    (出所)タミル・ナドゥ州エネルギー省資料に基づきジェトロ作成

    タミル・ナドゥ州内で計画されている今後の主な発電所建設計画として、チェンナイ北部(600MW×2基)、メーットゥール(Mettur)(600MW×1基)等のほか、ヴァルール(Vallur)(500MW×3基)、トゥティコリン(Tuticorin)(500MW×2基)や、中央政府開発案件(タミル・ナドゥ州にも一部供給されるもの)として、クダンクラム(Kudankulam)(1000MW×2基)、カルパッカム(Kalpakkam)(500MW×1基)、ネイヴェリ(Neyveli)(250MW×2基)等があり、2013年末までに、5,000MW弱の電力供給能力が増強されることが計画されています。

    このほかにも、チェンナイ北部(800MW×3基)、ウダングディ(Udangudi)(800MW×2)、チェイユール(Cehyyur)(4000MW)、ウップール(Uppur) (800MW×2基)等の発電所建設計画が策定されています。

     

    2.電力料金

    タミル・ナドゥ州の電力料金は、高圧電力(High Tension)を利用するか低圧電力(Low Tension)を利用するか、及び産業毎により、異なる電力料金が適用されています。また、実際に使用した電力量に応じて課金される費用(Energy Charges)、及び各企業の要求電力に応じて課金される費用(Demand Charges/Fixed Charges)により構成されています。

    上記体系に基づく具体的な電力料金については、タミル・ナドゥ州発電・配電公社(Tamil Nadu Generation and Distribution Corporation Limited:TANGEDCO)のウェブサイト(http://www.tangedco.gov.in/linkpdf/Revtariff-new.pdf。詳細に把握するためには、別途http://www.tangedco.gov.in/linkpdf/extract-tariff1.pdf)を御参照下さい。

     

    3.電力供給制限措置について

    タミル・ナドゥ州では、大幅な電力需給ギャップに陥っていることを受けて、計画停電等の電力供給制限措置を講じています。現状講じられている措置は、以下の通りです。

    •  一般家庭を含む計画停電の実施(チェンナイ市内:2時間、その他地域:3時間。実施時間は地域によって異なります。また、実施開始時間も時々変更されます。)
    • 高電圧を利用する工業及び商業に対しては、企業の要求電力から40%制限して電力を供給します。なお、毎日午後6時から10時までの間は、要求電力の10%に限り電力を供給します。

     

    (注1)2012年末から5月末までの間は、上記に加え、工業に対し、週2日(毎週日曜、及び月曜から土曜までのいずれか1日(地域により異なります)  のパワー・ホリデー(午前6時から翌日の午前6時まで、電力供給を要求電力の10%に限り電力を供給)についても実施します。

    (注2)タミル・ナドゥ州の電力供給制限措置の詳細については、例えば、TANGEDCOの以下ウェブサイトを参照下さい。

    http://www.tangedco.gov.in/linkpdf/slno1.pdf
    http://www.tangedco.gov.in/linkpdf/slno2.pdf
    http://www.tangedco.gov.in/linkpdf/inst-1007.pdf

    上記の電力供給制限措置に加え、瞬時停電等も頻発しているのが実態です。このため、進出(特に生産拠点を構える企業)に際し、自家発電の整備が不可欠な状況にあります。

    B. 港湾

      1.チェンナイ近郊の港湾

    チェンナイ近郊には、ASEANを向いた複数の港湾が存在しており、チェンナイの投資環境上の大きな特徴の1つとなっています。チェンナイ近郊に存在する港湾の概要は、以下の通りです。

    ①チェンナイ(Chennai)港

    チェンナイ市内中心部に位置するインド主要港の1つです。コンテナ、完成車、液体貨物等を扱う総合港湾で、コンテナ港としてはインド第2位の規模を誇っています。進出日系企業においては、コンテナ港としての利用が一般的です。

    コンテナターミナルについては、DP World社によるChennai Container Terminal Pvt. Ltd.(CCTL)及びPSA社によるChennai International Terminal Pvt. Ltd.(CCTPL)の2社が運営をしています(キャパシティは、ともに150万TEUs/年)。

    但し、24時間利用が可能なゲートがチェンナイ港最北部1ヵ所に限られ、それ以外のゲートは利用できない(1~2ヵ所のゲートのみ、深夜(23時~5時)に限って利用可能)ことや、チェンナイ港のキャパシティ不足等を背景に、物流に多くの時間を費やさざるを得ない実態にあること等には、留意が必要です。

    ②エンノール(Ennore)港

    チェンナイ港の北約20kmに位置するインド主要港の1つであり、政府系の港湾運営会社(Ennore Port Ltd.)により運営されています。もともとはバルク貨物を扱う港として設立されていますが、完成車等を輸出するための施設(車両専用船入港のための浚渫工事、車両蔵置場所の拡張等)が整備され、日系企業を含め、完成車の輸出港として利用されるようになっています。

    他方、エンノール港に通じるアクセス道路の整備が遅れていることや、エンノール港の港湾使用料が世界的に見ても極めて高額である等の問題があることには、留意が必要です。

    ③カトゥパリ(Kattupalli)港

    エンノール港北部に近接して位置します、民間企業のLarsen & Toubro(L&T)社が開発しているコンテナ港であり、近々供用開始予定となっています。キャパシティは120万TEUs/年です。チェンナイ港での物流滞留が問題となっていることもあり、同港の供用開始により、チェンナイの物流事情の改善に向かうことが期待されています。

    C. 工業団地

    1.工業団地の状況

    タミル・ナドゥ州には、タミル・ナドゥ州産業振興公社(State Industries Promotion Corporation of Tamil Nadu Ltd:SIPCOT)が開発を手掛ける工業団地と、民間企業が開発を手掛ける工業団地が存在します。タミル・ナドゥ州に生産拠点を設立している日系企業の多くは、工業団地に入居しています。

    (注)当地の工業団地では、リース(期間:99年間)での利用となり、購入はできません。

    なお、日本貿易振興機構(ジェトロ)では、チェンナイ近郊を含むインドの主要工業団地の情報をとりまとめ、ウェブサイト(http://www.jetro.go.jp/world/asia/in/industrial_park/)で公表しています。

    SIPCOT工業団地

    SIPCOT工業団地として、例えば、オラガダム(Oragadam)工業団地、スリペルンブドゥール(Sriperumbudur)工業団地、イルンガッツコッタイ(Irungattukottai)工業団地、グンミディプーンディ(Gummidipoondi)工業団地等があります。但し、開発が完了している工業団地のうち、入居が可能な先は一部に限られている(ティルボイ・カンディガイ(Thervoy Kandigai)工業団地:100エーカー未満の空きあり)のが現状です。

    他方、SIPCOTでは、チェンナイ近郊で、以下の工業団地の整備を進めています。

    • ヴァラム・ヴァダカル(Vallam Vadakal)工業団地:総開発面積約1,780エーカー
    • オラガダム(Oragadam)工業団地(拡張):総開発面積約600エーカー
    • チェヤール(Cheyyar)工業団地(拡張):総開発面積約2,300エーカー

    このうち、ヴァラム・ヴァダカル、オラガダム両工業団地については、2013年夏頃、チェヤール工業団地については、2013年早期のリース開始を目指している状況にあります。

    なお、SIPCOT工業団地については、民間工業団地等の他の近隣用地に比べ、用地リース費用が相対的に安めですが、インフラについては、一部を除き、入居企業自身で整備が必要となることに留意が必要です。

    民間工業団地

    民間工業団地として、マヒンドラ・ワールド・シティ(Mahindra World City)工業団地のほか、アンドラ・プラデシュ州ではありますが(タミル・ナドゥ州との州境近郊に位置)、スリ・シティ(Sri City)工業団地があります。

    民間工業団地については、インフラの面では、SIPCOT工業団地に比べ優位性がありますが、用地リース費用は相対的に高くなっています。また、住居、学校、レストラン等の社会インフラも整備しています(又は今後整備予定)。なお、スリ・シティ工業団地では、貸工場についても相談に応じており、日本企業向けに特別な対応をすることも検討しています。

    マヒンドラ・ワールド・シティ工業団地に関しては、現状、殆ど空きがない状況にありますが、スリ・シティに関しては入居が可能な状況にあります。

    一方、現在、チェンナイ近郊で、日系企業が開発に参画する以下の工業団地の整備計画が進行しています。

    • チェンナイ総合工業団地:チェンナイ市内から南に約50km、約1,500エーカーの敷地内に、工業区、ビジネス区、商業施設、居住施設、ライフスタイル施設を兼ね備えたエコフレンドリーな総合工業団地を、アセンダス(Ascendas、シンガポール)、IREO(米系大手インド不動産投資ファンド)、みずほコーポレート銀行、日揮が共同で開発予定。付帯サービス等についても検討中。
    • 双日・マザーソン工業団地(Sojitz Motherson Industrial Park:SMIP):双日とマザーソン・グループ(Motherson Group、インド)が共同で、チェンナイ市南西約45kmのカーンチプラム地区に設立する工業団地。付帯サービス等についても検討中。

    (注)工業団地の空き状況等については、ジェトロが2012年12月時点で調査した情報に基づく。なお、工業団地のリース開始時期等については、後ろ倒しされるケースが多いため、入居を希望する企業においては、最新の状況を確認する必要があります。

     

    2.工業団地への入居申込手続

    SIPCOT工業団地の入居手続

    SIPCOT工業団地への入居を希望する場合、所定の申請書に必要事項を記載し、SIPCOTに直接申込みを行う必要があります。申請書については、SIPCOTウェブサイトから入手することができます(http://www.sipcot.com/index1.html)。

    申請書の提出に際し、希望する土地面積に応じたイニシャル・デポジット(1エーカー当たり5,000ルピー)及び手数料(5,000ルピー)を納入する必要があります。

    土地のリースを受けられる場合、SIPCOTからアロットメント・レター(Allotment Letter)が発出されます。リースを受けられない場合には、SIPCOTからリジェクション・レター(Rejection Letter)が発出されます。

    (注)但し、原則として、Allotment Letterの受理に先立ち、インドに現地法人を設立することが必要となります。

    Allotment Letterを受理した場合、入居予定企業は、同レターの日付から90日以内に土地のリース料を全額納入するとともに、リース料納入後15日以内にリース契約を当局に登録する必要があります。

    リース契約発効後15日以内に土地の利用が可能となりますが、原則として、同レターの日付から6ヶ月以内に工場建設を開始し、24ヶ月以内に工場を完成させ、30ヶ月以内に生産を開始(試作でも可)しなければなりません。

    なお、申請の際納入したイニシャル・デポジットは、返還を受けることができます(リースの可否如何に関わらず、返還を受けられます)。返還を求める場合には、上記レターの日付から6ヶ月以内に、イニシャル・デポジットの返還申請を行う必要があります(この期間を過ぎた場合、イニシャル・デポジットは返還されません)。

    詳細については、SIPCOTウェブサイト等で御確認下さい。

    民間工業団地の入居手続

    各工業団地の開発・運営主体に対して、アクセスする必要があります。

    (ジェトロ・チェンナイ事務所の協力のもとに作成)